大きな時代の流れとして、「伝統産業」である木工の業界は国内市場の縮小に伴い、斜陽産業であることは間違いありません。
アジア圏をメインとした安価な海外製品の流入により、われわれの世代が木工品に対してい抱いていた高級感、贅沢感、特別感といった「伝統産業品」への価値が低くなっているのかもしれません。
しかし、こんな状況化だからこそ、技術力のある「木工所」としての強み、形式に縛られない柔軟な考えを、市場に提示すべきではないかと考えています。
それは、「木工品=高価、高級、特別な物」というかつてのイメージの壁を乗り越える挑戦でもあります。
もちろん、木工品はプラスチックや金属加工品などと比較すると、高価ですが、それだけ一点一点、手間隙かけて製作した上等品としての存在感があります。
そのような木工品が、家、オフィス、レストラン、ホテルなど、日常の一部にあることによって得られる、ワンランク上の満足感を様々な世代に合った形、価格で提供できればと想います。
われわれの考えの範疇に及ばない木の使用方法に、毎日悪戦苦闘しておりますが、木工所として貫き通す一本の軸さえあればあとは柔軟に吸収すれば良いと考えています。
この想いが後世への技術継承に繋がると信じて、日々の製作に取り組んでいます。